ここのところアルミの溶接についての問合せが増えてきている。
かつてスポット溶接で効率化を行ってきた企業が多いように思う。
自動車関連 OA機器メーカ 電気メーカなどなどである。
以前は「アルミは軽量で強度がある事からか使いたいのは山々だが・・・・」 という場所に、今では使われるようになってきている。
深絞りされる電池のケースをアルミで作るのは困難とされていたみたいだが、 近年深絞りの技術もさることながら、適したアルミ合金も開発されているらしく、 可能になってきているようなのだ。
導電性も良い事から導通部分への使用も思案しているみたいだ。

アルミはスポット溶接するとなると難しい素材のひとつになる。
純アルミに近いほど導通のよいアルミは抵抗溶接には向かないのだ。
それと酸化皮膜がつきやすく無通電のワークが出てばらつきが起こってしまうのだ。
しかし、アルミに混ざった金属によっては全くつかないこともない。
例えば、深絞りに適するように延びやすく開発されたアルミ合金は スポット溶接しやすくなったりすることもある。

私どもへの溶接の依頼の多くが、 別の方法でやっていたものをスポット溶接で効率化を行いたいと言う内容である。
そのため溶接実験をして溶接可能、不可能を 溶接技術でユーザの要望にこたえていかなければならない。
それが溶接機器メーカの宿命のようにも感じる。
しかし、材料との関わりが明確であればよりありがたい。
スポット溶接しやすいアルミ合金の開発なんてことが行われれば、 なかなか面白いようにも思う。

そうなると受動的で行っていた提案が、能動的な提案を行うことが出来るようになる。
今後どんどん新しい金属が開発されて良くと思われるが、 スポット溶接も視野に入れた金属の開発がなされたら、 溶接機器メーカとしてよりよい商品の効率化や リサイクル問題に貢献できるような気がする。

なかなか大変な事だと思われるが、そういう時代が来る事を考慮しておく事も重要なのではないだろうか?