上記のアニメは基板のパターンに銅のメッキ端子を溶接したところをシュミレーションしています。
基板のパターンt=70~100μmに端子t=0.1~0.2mmを溶接することが可能です。
もちろん材質の違いで溶接しにくいものもあります。
パラレルギャップ溶接は基本的にはシリーズ溶接ですが、電極間を狭いギャップで仕切った電極を使って溶接します。
シリーズ溶接との違いは間隔が狭いためにナゲットがひとつになってしまうことと、微細(薄い)ワークに対して、熱でワークの接合を良い方向に影響を与えることなどがあげられます。
主な用途は基板パターンの修復や金線のボンディング、端子の溶接などがあります。
近年小さくなっていく基板、そして鉛フリーなどの環境問題、高速で動く基板の抵抗などの問題から、
パラレルギャップによるスポット溶接のニーズが半導体分野から、一般的な基板へと変化してくるような気がしています。
使用溶接電源
使用する溶接電源は短時間の通電がコントロールでき、かつ立ち上がりの早い溶接電源が有効とされています。
微細型トランジスタ式やインバータ式が多く使われます。 しかし、この溶接電源は高価です。
MIROウェルダは50μsのパルスでコントロールできるのでパラレルギャップ溶接に有効な溶接電源と言えます。
トランジスタ、インバータに比べ安価であり、多彩なコントロールも魅力です。
※参考
溶接について→MIROウェルダー MIRO波形(矩形波)と単相交流波形の比較
製品案内→MIROウェルダMSW-3002
パラレルギャップ電極の種類
基本的に大きく分けて、ギャップを調整できる分割タイプと絶縁物を挟み込んだ一体タイプに分かれます。
一体タイプは分割タイプに比べて、より微細型のワークに対応できます。しかし、消耗も早く、高価です。
電極の材質はクロム銅、モリブデン、タングステンと抵抗溶接に使われるものと同様です。
この電極を使うにあたって、100g~1.5kgぐらいの加圧力で安定して使える溶接ヘッドが必要になります。
パラレルギャップ溶接はおおよそ実態顕微鏡を見ながらの作業となります。
顕微鏡取付けオプションのついた溶接ヘッド、溶接用LED照明など、関連用品の充実にも心がけています。
下記写真はMRHに微加圧追従機構を使用して、一体型のパラレルギャップ電極を取り付けた写真です。
片側のワークとの接触面は0.5mmx0.5mmほどです。もっと小さなものもあります。
※電源の選択やサンプル実験など、ご相談いただければと思います。